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第123回 定時株主総会 質疑応答概要

Q1. センサ事業は、2019年3月期は想定より伸びなかったようですが、その理由と今後の事業拡大に向けた取り組みについてお聞きしたい。
A1. 2019年3月期は、スマートフォン向けに新製品の開発を進めていましたが、遅れが生じたこと、また、下期にマクロ経済悪化の影響を受けたことが、想定を下回った主な理由です。これに対し2020年3月期は、バランスよく戦略市場ごとに事業拡大に向けた活動を推進しております。例えば、自動車向けにTMR(トンネル磁気抵抗)角度センサ、圧力センサ、MEMS(微小電気機械システム)技術を用いたモーションセンサの販売拡大活動を展開しております。モバイル端末向けでは、超音波指紋認証センサ、マイクロフォンの販売拡大に加えて、モーションセンサの顧客基盤拡大、TMRセンサの用途拡大を進めております。これらの活動を具体的な成果として実現し、売上を拡大していくことによって、センサ事業を当社の主要事業の一つに成長させていきたいと考えております。
センサ市場は、今後、1兆円を超える規模に成長することが見込まれます。自動車市場、民生用市場双方に我々は強みを持っており、着実に事業を拡大していきたいと考えております。
Q2. 過去に課題事業として挙げられていた3つの事業について、現在の収益性の改善状況を教えてほしい。
A2. 過去、SAW(表面弾性波)フィルタ、電源、マグネットの3つの事業を課題事業として挙げておりました。まず、SAWフィルタについては、2017年に米国のクアルコム社と設立した合弁会社に事業を移管しており、現在我々の事業ポートフォリオに入っておりません。次に、電源については、TDKラムダ社で産業機器用電源を中心に事業を進めていますが、合理化と先進的な新製品の投入により収益性を改善することができ、現在では全社の利益に貢献しております。最後に、マグネットについては、2019年3月期も47億円の減損損失を計上するなど、まだ収益面で困難な状況を抱えております。従来はHDD(ハードディスクドライブ)用途の比率が高かったのですが、HDDの台数は減ってきており、ここに事業の軸足を置いておくことはできないことから、数年前から自動車、産業機器用途や、風力発電などの自然エネルギー用途に注力し、収益性の改善を図っております。現在も厳しい状況にありますが、今後、改善が期待できると考えております。
Q3. マグネット事業とセンサ事業の収益性を今後どのように改善していくのでしょうか。
A3. マグネット事業については、今お答えしたとおりです。また、センサ事業については、買収の一時費用も含めて収益的に厳しい状況ですが、先ほどお答えしたとおり、これからセンサ市場は拡大していきます。自動車も民生製品もセンサのかたまりと言えるほど、数多く搭載されることが見込まれます。こうしたビジネスチャンスをしっかりと掴んで事業を拡大していきたいと考えております。
Q4. 米中貿易摩擦の影響と対応について説明してほしい。
A4. 我々の中国での生産比率は高い水準にありますが、中国域内での供給がかなりの部分を占めており、直接的な影響は比較的小さいです。一方、米中貿易摩擦の影響で世界経済が冷え込んだ場合にどのように対応するかといった検討も進めております。また、米中貿易摩擦に限らず、生産拠点をはじめとして世界各地域にそれぞれ特有のリスクが存在します。例えば、日本でも先日、地震が発生しました。こういったリスクをどのように回避していくか、特に顧客から見ると、どのように製品の供給を継続してくれるかが大きな関心事です。こういったリスクに対してアセスメントをしながら、的確に対応を取れるようにさまざまな検討を行っております。このような過程で、日本人だけでなく海外でマネジメントを担っているメンバーからの情報、また、彼らの肌感覚が非常に重要です。こういった点が、先ほど対処すべき課題で申し上げた、「しなやかな対応」といった我々の強みの一つになっていると考えております。
Q5. 2020年3月期の想定為替レートは、いくらに設定していますか。
A5. 当社の業績は、対米ドル及び対ユーロの為替変動により、一定の程度影響を受けます。2019年4月に発表した2020年3月期の平均為替レートは、対米ドル108円、対ユーロ122円を想定しており、現在は実際の為替レートと近い水準にあります。
Q6. SDGsに関する取り組みが企業の評価や価値につながります。このような観点で、どのような取り組みをしていますか。
A6. SDGs(2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された国際開発目標)は、国際社会共通の目標であって、世界が共通して取り組まなければならない社会課題が網羅されており、我々が社会的価値を向上しながら成長していくうえで、一つの大きな指針となっております。かつての公害問題への対応といった企業活動によって生じるマイナス面をどう低減するかというところから、企業活動の中からプラス面をどう産み出していくのかというところに、企業の社会的責任の位置づけが変わってきたと考えております。当社においても、2019年4月にサステナビリティ推進本部を設置し、ここを中心として、我々の技術や製品がどのように社会に貢献できるかをしっかりと把握したうえで、それを社会にアピールし、企業姿勢として打ち出していけるような体制をつくりました。まずは、EX(エネルギートランスフォーメーション)、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関連する技術を駆使しながら、どのような分野で貢献できるかを明確にし、各部門が具体的な目標を持って事業活動を推進していきたい。これまでのような売上高や利益の目標だけではなく、社会的な貢献度という目標をもった活動を2020年3月期から積極的に推進していきたい。経営課題の一つとして取り上げるとともに、社会に向けてアピールしていきたいと考えております。
Q7. 連結貸借対照表における「その他の包括利益累計額」の内容について説明してほしい。
A7. 2019年3月期の連結貸借対照表にその他の包括利益累計額として、約1244億円の損失が計上されています。その要因は大きく2つあります。1つは、外貨換算調整勘定という会計上の処理です。当社には海外に多くの子会社が存在していますが、通常海外の会社は円でなく外貨で決算を行っております。日本から投資をして子会社を設立したときの為替と、決算を行ったときの為替の差、例えば1ドル120円で投資して設立した子会社が1ドル110円で決算した場合、10円の差が円高分として投資した資産の評価が下がります。この差分をマイナスとして表示しております。もう1つは、年金債務に関わるところです。主に日本とドイツにおいて、確定給付年金制度を採用しております。これについては将来用意しておくべき債務を計算しますが、昨今、日本の金利が低水準となっていることで、現在価値に割り引くと将来用意しておくべき債務が増えてしまいます。この金利が下がった影響で年金債務が増えてしまった分をその他の包括利益累計額にマイナスとして表示しております。
Q8. 米国のセンサ事業会社を買収しましたが、マネジメントできているのでしょうか。
A8. 当社は、2017年に米国の上場会社であったインベンセンス社を、2018年には米国のベンチャー企業であったチャープ・マイクロシステムズ社を買収いたしました。また、欧州のセンサ事業会社も複数、買収いたしました。2017年に発足させたセンサシステムズビジネスカンパニーでは、これらの事業会社を一つにまとめる形で、各社の責任者を集めたマネジメントコミッティを組織しており、開発、マーケティング、品質保証といった主要機能について企業間の壁を取り払って横串を通し、一体化した戦略の策定、実行を図っております。グローバルに主要機能をしっかりと繋いで、今後さらに事業を推進していきたいと考えております。
Q9. 2020年3月期の業績予想は、売上高、営業利益ともに過去最高を更新するものとなっています。中国における自動車やスマートフォンの販売不振、また、5Gの本格普及は2020年以降と言われているなど、世界経済の先行き不透明感が増している中で、このような業績予想を立てた背景について説明してほしい。
A9. 世界経済の先行き不透明感が一層強くなり始めたのは2018年11月から12月にかけてであり、こうした経済状況を反映して、2020年3月期の業績予想を策定し、2019年4月に公表いたしました。中長期の視点でみた場合、5G(第5世代移動通信システム)の普及や自動車の安全性の向上、EV化(電動化)は、着実に進展し、我々の製品に対する追い風になると考えられます。また、EX・DXについては、一時的な停滞はあるかもしれませんが、流れとしては止められないものとなるでしょう。我々がいかにそうした事業機会をとらえられるかというところが大きいと考えております。First to Marketで製品を提供し顧客の期待に応えるということを地道に重ねていくことによって、短期的なマクロ経済の動向にかかわらず、しっかりと顧客に食い込んで成果をあげていけるようになると考えております。2020年3月期の業績予想は、全体的には大きな売上成長を見込んでいるわけではありませんが、達成に向けて着実に取り組んでいきたいと考えております。
Q10. 米中貿易摩擦による世界経済への影響などが懸念されている中で、2020年3月期の業績予想の達成見通しについて説明してほしい。
A10. 先ほどお答えしたとおり、長い目でみればEX・DXの流れを止めることはできず、エレクトロニクス抜きには実現できない世界が到来するでしょう。我々の製品の市場、また、社会への貢献度合いは、ますます大きくなっていくことが見込まれます。主要事業への投資に加えて、新製品の開発、新規事業への投資を進めることで、当社グループ全体の収益性、成長性の向上を目指していきたいと考えております。短期的にはマクロ経済にマイナス影響を与えるような要素はあると思われますが、達成に向けて着実に取り組んでいきたいと考えております。
Q11. 自社株買いについて、どのように考えていますか。
A11. 自社株買いを含む株主還元については、中長期的な企業価値の向上、1株当たり利益の成長を通じて、配当という形で株主の皆様に還元していくことを基本に考えており、今後もこのような考えで適宜検討していきたいと考えております。
Q12. エンジンからモーターといった自動車の電動化に伴い、電子部品の搭載点数はどのような影響を受けるのでしょうか。
A12. 自動車の電動化は、当社にとって大きなビジネスチャンスになると考えております。例えば、モーターには当社製品の一つである、ネオジムマグネットが非常に多く使われます。加えて、当社は希少金属の使用を減らしたマグネットの開発にも力を入れております。また、モーターを回すためのインバータ向けの大型コンデンサや、ノイズを除去するインダクタ、コモンモードフィルタなどの製品ラインアップを有しており、今後、これらの製品の需要が大きく伸びることが期待されます。センサについても、回転、電流、温度をそれぞれ検知するセンサなど幅広い製品ポートフォリオのもと、これらの当社製品の自動車への搭載点数が増えることが見込まれます。
Q13. 自動車向けをはじめとして、製品検査体制はどうなっていますか。
A13. ゼロディフェクト(不良品ゼロ)の追求という基本理念のもと、法令を遵守するとともに、顧客と取り決めた規格を遵守して検査を実施しております。最終検査で品質は保証できないとの方針のもと、各工程で不良品をつくらないモノづくりを目指して取り組んでおります。
最終工程だけではなく、源流管理、すなわち、材料、生産方法、生産装置といったものから適切に管理していかなければならないというのが基本的な考え方であり、このような考えのもと、各拠点において品質管理を進めております。
Q14. 先日山形県沖を震源とする地震がありましたが、TDKは秋田地区に工場が多い。地震に対してどのように対応するのでしょうか。復旧までどれぐらい時間がかかるかといった、シミュレーションを行っていますか。
A14. 山形・秋田地区に生産拠点はありますが、先日の地震で大きな被害はありませんでした。日本は地震が多いため、日ごろからさまざまな対策をとっております。まずは人命優先ということで、従業員とその家族の安否確認を最初に行う体制を取っております。続いて、顧客に対する製品供給の責任をどう果たしていくかということです。これに対しては、東日本大震災の後、BCP(事業継続計画)の見直しを行い、顧客の期待に応えられるような供給体制をとる計画をつくりました。ただ、昨今さまざまな災害が増えていることから、BCPをさらに見直して、より確実に顧客の納期に応えられるような体制をとっております。どのように対応するかは事業ごとに決めており、一概には申し上げられませんが、人命を最優先し、次に顧客への納期の対応をしていくというBCPを策定し、これを実行することで、自然災害に対応していきたいと考えております。なお、2019年3月期の国内生産比率は、約15%です。
Q15. 2020年3月期第1四半期の業況はどうですか。
A15. 2020年3月期第1四半期の業況については、この場で申し上げられません。なお、米中貿易摩擦など、世界経済の動向については、今後も注視していきたいと考えております。
Q16. 女性の役員や管理職への登用状況、今後の方針について教えてほしい。
A16. 女性管理職の登用などに関する数値目標は、今のところ持っておりません。当社では性別や国籍、そうした個人の属性に関係なく評価、登用することを基本方針としております。まずは、さまざまな採用活動を通じて、全従業員に占める女性比率を高め、将来的に、女性管理職の数を増やしていきたいと考えております。また、当社は育児休業制度や、短時間勤務、在宅勤務ができる制度などを整備しており、女性が結婚、出産後も安心して快適な環境で働けることが重要だと考えております。なお、日本国内の女性管理職の比率は2019年3月31日現在、3.9%です。

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