TDKの成長戦略特集 80年をかけて培った
TDKの競争優位性

TDKは、「創造によって文化、産業に貢献する」という社是のもと、創業以来、磁性技術という強みを活かし、社会の発展を支える製品を創造し続けてきました。重点分野である自動車、ICT、産業機器・エネルギーを強化し、当社ならではの製品、技術の展開を模索していきます。

電子部品の提供を通じて
自動車の進化に貢献する

AUTOMOTIVE

自動車の電装化に早くから注目したTDK

昨今、自動車に搭載されるエレクトロニクス機器や電子部品はますます増加しています。一例を挙げると、これまでエンジンが自動車のパワートレイン(動力源)の中心でしたが、電動システムとエンジンが併用されるようになり、自動車の省力化、システム化が進むようになりました。さらに、自動車に安心・安全を求める社会の要請もあり、ブレーキ、ステアリング(方向変換機構)などの製品も電子的に制御する技術が求められるようになったほか、自動車の軽量化についても燃費向上の観点などから重要な課題として認識されています。

TDKは、自動車分野の電装化に40年以上前から着目し、モータを動かすマグネットの提供からはじまり、インダクタ、コンデンサなど提供する製品を広げてきた歴史があります。自動車向け製品は、安心・安全を扱う製品として特に高信頼性要求が高く、なおかつ使用する数量も多いため、メーカーにとってもただコストが安いという理由だけで製品を容易に切り替えできないところに特徴があります。当社は、自動車向けの受動部品に加えてマグネット、電源など幅広い製品ポートフォリオを持ち、顧客仕様に合わせた最適な製品を一括で提供してきたことに強みがあります。

自動車の進化を支えるTDKの技術力

TDKが、今後特に注力していくのは磁気センサの分野です。磁気センサとはパワーステアリングの動きを細かく制御し、燃費改善や省力化などに貢献するものです。当社が、これまで強みを発揮してきた磁気ヘッド技術を応用し、精度が高くハンドルの角度検知時の誤差を極力減らすことが可能となります。これは、省エネ志向が強い日本や欧米の自動車メーカーなどに提供することを想定しており、国内工場では2016年3月期より量産を開始しています。今後は、回転系センサや位置情報として検知するリニアエンコーダなどへの応用に取り組み、センサ事業を今後の収益の軸として育てる方針です。

その先には、非接触給電システムの構築も視野に入れています。当社は、2014年4月、米国のWiTricity Corporationと非接触電力伝送技術に関するライセンス契約を締結しました。当社が得意とする磁性材料技術と回路技術を生かし、電気自動車等モビリティ向けの非接触電力伝送システムの早期実用化を進めています。

自動車は、社会や環境からの要求に応えるべく絶え間ない進化を遂げています。TDKは電子部品の提供を通じて、その進化を支えていきたいと考えています。

自動車分野のTDK販売推移

自動車分野のTDK販売推移 自動車分野のTDK販売推移
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電子部品からICT分野の
イノベーションを牽引する

ICT NETWORK

ICT分野の進化に貢献

スマートフォンやタブレット端末などのICT機器は、有線、無線のネットワークとつながり、高度なインフラ社会としての発展を続けています。近年では、情報量の増大に伴い大容量高速通信が求められており、その中でもTDKはLTEの伸長に注目しています。そして長期的には5Gの市場が立ち上がってくると予想しています。LTE端末では、より複雑な回路が組み込まれるため、搭載部品の省スペース化に加え高効率の電力マネジメントが必要となります。当社は、現在の携帯電話やスマートフォンで使用されている周波数帯域をカバーするSAWフィルタだけでなく、5G以降の市場で使用が予測され、SAWフィルタではカバーできないと言われている高周波帯域に適したBAWフィルタまで幅広い領域をカバーできる高周波フィルタを保有しています。今後も、SAW及びBAWフィルタの積極的な技術開発を進めていきます。

また、ICT向けでは圧電材料部品であるカメラモジュール用アクチュエータの成長が見込まれます。オートフォーカス用のVCM(Voice Coil Motor)、光学式手ぶれ補正用のOIS(Optical Image Stabilizer)は中国向けスマートフォンでも採用が進んでおり、今後販売の拡大を目指しています。

スマートフォンの先を見据えた戦略

これまで、大幅な伸びを示してきたスマートフォン出荷台数ですが、現在では、発売当初と比較すると落ち着いた印象があります。ただ、LTE化や3モードから5モードに変化するなどスマートフォンの中身が、変化することにより電子部品の需要は今後も拡大が続くと見られています。しかしながら、当社では将来の成長を見据えて、スマートフォンの成長のみに依存するのではなく、IoT(Internet of Things)の時代に向けて、新たな戦略を打ち立てています。IoTとは、世の中に存在するあらゆるモノに通信機能を持たせ、インターネットへの接続や、相互通信により自動認識や自動制御などを行うことを意味します。その点、ICT市場向けでは、ICコラボレーションを戦略のカギと位置付けており、他のICメーカー、半導体メーカーと共同で、モジュール製品の展開を図っていくものであります。具体的にはパッケージ、デザインなども含めた付加価値の高い製品、ソリューションを提供することを目指しています。

また、ウェアラブル市場も活況を呈していますが、今後はこの市場にも戦略製品を展開していくことを想定しています。当社は、SESUBやコンデンサを基板に埋め込むTFCP(基板内蔵用薄膜キャパシタ)などのウェアラブル製品に欠かせない技術の開発を進めています。

ICT市場への中期戦略

ICT市場への中期戦略 ICT市場への中期戦略
iPhone iPad iPhone iPad

次世代の産業機器・
エネルギーに貢献する

INDUSTRIAL & ENERGY

クリーンでスマートな社会インフラの構築

現在、持続可能な社会の実現に向けて、近未来の社会システムとして構築が進められているのが、スマートグリッド(次世代電力網)をエネルギーインフラとするスマートシティです。これまでは欧州を中心に進められてきましたが、現在では世界各地で進められており、TDKでは、太陽光発電や風力発電などの再生エネルギー向けに、様々なパワーエレクトロニクス関連製品を提供しています。例えば、電力を変換する役割を果たす系統連系用や昇圧用のリアクトル、大容量の蓄電を可能にするアルミ電解コンデンサ、電力変換の重要なプラットフォームとなる双方向DC-DCコンバータなどの製品を提供し、電力の品質維持や高効率変換に大きく貢献しています。

当社では、これらの再生エネルギー関連システムのエネルギーデバイスを強化するとともに、コアコンピタンスである磁性技術を活かした電力の制御や供給を行うパワー系部品の拡販を目指しています。

産業機器向けにセンサを軸としたソリューションを提供

産業機器向け市場には、非接触給電と磁気センサを軸に戦略製品を提供しています。非接触給電は、スマートフォン、自動車に続いてハイブリッドバス、カテナリー(架線)フリー路面電車、ケーブルレスエレベーターなどをターゲット機器として考えています。例えば、国が主導し試験運転が実施されたハイブリッドバスの原理は以下の通りです。道路に埋め込まれた充電ステーションの1次コイルと、車両の床下に配置された2次コイルが対面する位置にバスを停車させます。充電ステーションのインバータが商用電力を高周波電力に変換して1次側コイルに送ると、電磁誘導の原理で2次コイルに電力が伝達されてバッテリが充電されるという仕組みです。

磁気センサは、リニアモータ用エンコーダ(位置を検出するセンサ)や産業用ロボットへの応用に向けて取り組んでいます。TDKが提供する磁気センサは、HDD用ヘッド製造で培った磁気技術を応用したロボットのアームの位置や角度を検出し、高出力で温度特性に優れているのが特徴です。ロボットの市場は、今後の成長が期待される領域の一つと考えています。

エネルギー分野の成長シナリオ

  • 再生可能エネルギー関連システムのエネルギーデバイスを強化
  • コアコンピタンスである磁性技術を活用したパワー系部品を拡販
自動車分野のTDK販売推移 自動車分野のTDK販売推移
* Dy:ディスプロシウム Nd:ネオジム。いずれも希土類元素。
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PDFではTDKの成長戦略の全文がご覧いただけます。

TDKの成長戦略