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医療現場の負担を減らすために、IoTデバイスができること
公開日: 2019年11月19日
最終更新日: 2020年7月28日

医療現場の負担を減らすために、IoTデバイスができること

世界規模で進む高齢化や感染症の拡大など、医療へのニーズがますます高まるなか、医療現場の負担軽減が大きな課題となっています。そこで注目を集めているのが、高齢者の健康状態を把握できる遠隔モニタリングシステム。センシング技術と通信技術を利用したウェアラブルIoTデバイスを使って、手軽に高齢者と病院、住宅をつなぐシステムの開発が進められています。

世界的な高齢化社会に不可欠な「遠隔モニタリング」における課題

国連の推計(世界人口推計2019年版)によると、世界人口は急激な増加を続けていて、2019年の約77億人から2050年には100億人近くに達すると予測されています。平均寿命も延びていて、2019年現在、全人口の9%を占めている65歳以上の高齢者は、2050年には16%にのぼると見込まれています。世界でもっとも高齢化が進んでいるのは日本であり、また欧州・北米でも高齢化が進み2050年には4人に1人が65歳以上となります。東・東南アジアでは、2019年から2050年までに65歳以上の高齢者は倍増し、その数は約9億人にのぼるといわれます。

全人口に占める65歳以上の割合

全人口に占める65歳以上の割合

出典:国際連合 世界人口推計2019年版

高齢者の増加とともに、医療費の増大は世界的な問題となっています。この医療費の増大を抑制する一つの対策として、高齢者の長期入院などの“重症化”を防ぐことが挙げられます。そのためには、毎日の健康状態の管理や病気の発症に対しての早期発見などいった対策が必要です。同時に、医療・介護スタッフの人材確保や家族の精神的負担の軽減なども重要になります。これらの解決策として期待されているのが、遠隔医療(※1)の一つである「遠隔モニタリング」です。

高齢者に求められる「遠隔モニタリング」は、主にバイタルサイン(脈拍などの生命兆候)を、医者や介護スタッフ、家族などが遠く離れていてもモニタリングできるシステムです。バイタルサインの把握は、日常の健康管理や病気の予防、早期発見、緊急時の迅速な対応に欠かせません。そのためには、高齢者が身につけて持ち歩けるウェアラブルセンサの活用や、手軽に住宅と病院および医療施設内などをつなぐネットワークシステムの迅速かつ容易な構築が課題となります。

生体センサとゲートウェイを活用した、遠隔モニタリングシステム・ソリューション

TDKが提供する「Silmee™ シリーズ」は、高齢者の日々の健康管理はもちろん、無線通信デバイスとの併用により、バイタルサインなどの生体情報や位置情報を遠隔モニタリングするシステムも容易に構築できる、IoTデバイスです。
リストバンド型の生体センサSilmee W22は、複数のセンサを搭載しているウェアラブルデバイスです。装着することで、活動量や脈拍、睡眠時間などのバイタルサインや会話量なども自動計測・保存でき、Bluetooth通信でスマートフォンなどへ転送できる機能を備えています。ゲートウェイSilmee L20は、異なる通信ネットワークを接続するノード(中継点)となる装置です。

一人暮らしの高齢者の住宅では、生体センサSilmee W22を装着した高齢者から、バイタルサインや会話量などの生体情報を取得します。そして、ゲートウェイ Silmee L20 を住宅に設置することによって、遠隔モニタリングが可能なシステムを手軽に構築します(図1)。

地域の医療施設や介護施設では、常に高齢者や認知症患者に目を配ることが求められます。生体センサSilmee W22は、ビーコン(※2)(位置検出のみ)機能も備えており、ゲートウェイ Silmee L20 と組み合わせることで、装着した高齢者の位置情報が把握でき、危険領域への接近などをモニタリングできます。ゲートウェイSilmee L20 は、大がかりな工事が不要で手軽に設置・移動できるため、施設へ容易に導入できます(図2)。

すでに世界一の高齢国・日本において、これらの実証試験が行われています。その結果、長期間のデータ収集が容易になり、短期の検診では困難な症状を見つけることが可能になってきています。世界的な高齢化社会が進む中、TDKは「Silmee™ シリーズ」によって、遠隔モニタリングを推進していきます。

図1 一人暮らしの高齢者や在宅患者のバイタルサインを“24時間遠隔モニタリング”システム

図1 一人暮らしの高齢者や在宅患者のバイタルサインを“24時間遠隔モニタリング”システム
生体センサSilmee W22によって取得された生体情報は、専用クラウドを通じて医療・介護スタッフや家族に送られます。バイタルサインに異変があるときは、スタッフや家族のスマートフォンに自動アラームメールで知らせることもできます。

図2 認知症患者の位置情報のモニタリングによる徘徊防止システム

図2 認知症患者の位置情報のモニタリングによる徘徊防止システム
施設内外の各所にゲートウェイを設置し、認知症患者に生体センサSilmee W22を装着してもらうことで、危険領域への接近や脈拍の異常などを遠隔モニタリングでき、患者の安全のみならず、医療・介護スタッフの負担軽減にも寄与します。

生体センサSilmee W22 + ゲートウェイSilmee L20

生体センサSilmee W22+ゲートウェイSilmee L20

生体センサSilmee W22は、一度の充電で約10日間のバッテリー駆動時間を実現し、約1ヵ月分相当(1分単位、32日分※日数は目安。使用状況により短くなる場合があります)の活動量記録が可能です。これと、ゲートウェイSilmee L20を組み合わせた独自の遠隔Silmee(バイタル・位置・環境)モニタープラットフォームを提供します。詳細は、プロダクトセンター「W22」「L20」をご覧ください。

用語解説

  1. 遠隔医療:医師と患者が直接対面せずに、ICT技術を用いて、診断・診療を行う行為。ICT技術の活用が進んでいる欧米で盛んで、今後、日本や中国、インドなどアジア太平洋地域においても急速に発展していくと考えられている。
  2. ビーコン:ビーコンとは、Bluetooth信号を発信し、端末の位置などを知らせる技術の総称を指す。
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