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世界でもっとも求められる医療用電源、その理由とは?
2020年6月29日

世界でもっとも求められる医療用電源、その理由とは?

新型コロナウイルス感染症に代表されるパンデミックの流行や高齢化社会の進展、医療現場の人材不足など、世界的な医療問題が発生しています。こうした中、医療現場の強い味方として活躍しているのが最先端の医療機器です。そして、その医療機器に安定化した電力を供給しているのが「電源」です。

命を守る現場を支える電源、その活躍現場を追う

MRI、X線、CTスキャナー、PETスキャナー、血液分析器、DNA機器、生体情報モニタ、超音波診断装置、ロボット手術装置、人工心肺装置…。これら最先端の医療機器において、使用される電源の世界シェアナンバー1を誇るのがTDKラムダブランドの電源です(2019年 IHS Markit調べ)。40年以上にわたって全世界の医療機器メーカーに提供しています。一体なぜ長年、世界中の医療機器から求められているのでしょうか。TDKラムダ株式会社の販売促進部・白石健一氏に聞きました。

「まずは電源についてご説明しましょう。通常、商用電源は交流で供給されており、医療機器の中で使用するには安定化した直流に変換する必要があります。この変換装置が電源(AC-DC電源※1)です。医療機器で求められる電源は命に関わるため、常に稼働する高い信頼性が求められます」。医療機器の電源に求められる信頼性とはどのようなことでしょうか?実際の医療機器を通じて検証していきましょう。

2018年の医療用電源市場でのTDKラムダのシェア

2018年の医療用電源市場でのTDKラムダのシェア

出典:IHS Markit 2019

「CTスキャナー」の回転下でも安定した電力供給で画像処理制御を支える

まずは、急速に進化が進む「CTスキャナー(コンピュータ断層撮影)」です。CTスキャナーとは、X線とコンピュータを使用して体の断面図を撮影する特殊な画像検査装置で、多くの診療科で使用されています。CTスキャナーの輪の内部のX線を発生する管球が、患者の寝台の周りを“回転”し360°にわたり、X線を照射して撮影します。

「当社の電源は、CTにおける画像処理などの制御部に電力を供給しています。信頼性のポイントは、回転に耐える機構設計を実現したことです。回転する中で電源は常に稼働し、なおかつ90%以上というトップクラスの高効率で変換できます」。さらにCTスキャナーは数億円に達する高額機器もあるため、「長寿命性に優れており、長年にわたって使用できることも強みです」と白石氏。

近年、CTスキャナーは、マルチスライスCT(※2)が発明されて、高速撮影(数秒~数十秒)が可能になり、鮮明な3次元画像をつくれるようになっています。そして、4次元CTの開発・研究によって心臓や脳を鮮明に映像化することが可能です。さらに人工知能(AI)の活用によって、画像診断結果の精度向上がはかられています。こうした進化の基盤を支える、画像処理の制御部に不可欠な電源です。

また、装置の高機能化や精度向上に伴い、ノイズ等による影響の対策は重要な要件となっています。その対策のため、TDKラムダは医療用途向けの電源ライン用EMCフィルタ(※3)も提供しています。「当社は、多くの医療機器メーカー様とビジネスをさせて頂いているため、最新の医療動向を感知でき、周辺機器も含めて信頼性の高い製品を提供できます」と白石氏は語ります。

CTスキャナー

CTスキャナー
CTスキャナーは、撮影装置のガントリ(管球と検出器)と、患者が寝る寝台、およびコンピュータの操作部にあたるコンソールで構成されています。電源やEMCフィルタはコンソールや、ガントリ、寝台等様々な装置内部に搭載されています。

システム停止が許されない「生体情報モニタ」で活躍する小型電源

続いては、新型コロナウイルスのテレビ報道でも数多く映し出された「生体情報モニタ」です。生体情報モニタとは、緊急外来のような重症患者や手術中の患者など、容態が急変する可能性のある患者に対して、心電図や血圧などの生体情報をモニタリングする医療機器です。

生体情報モニタは、手術室、集中治療室、救急救命室など一刻の猶予を争う現場で使用されます。「当社の電源は、システム停止が許されない環境下において、365日・24時間連続稼働で使用でき、安定性に優れています。また、他社品よりも長期にわたって使用できる長寿命性が強みです」。さらに最近の手術室では、人工心肺装置など大型装置の導入が進んで手狭になっており、小型化も求められています。「当社は、2×3インチ(AC/DC 60Wクラス)といった業界最小サイズを提供しており、小型で高信頼性という難しい要求にお応えできる技術力も持ちます」(白石氏)。

生体情報モニタ

生体情報モニタ
一人用のベッドサイドモニタと言われる生体情報モニタです。電源は多くの場合、生体情報モニタの裏側に内蔵されています。

最後に現在の状況について伺うと「新型コロナウイルスによる感染者増加により、医療機器の確保が課題となっています。この需要に応えると同時に、医療用電源に求められる“信頼性”を追求した製品をつくり続けます」(白石氏)。

具体的な取り組みとして、TDKラムダブランドの製品は各種医用規格に適合し、最新の医用規格IEC60601-1(第3.1版)の適合も進んでいます。さらに医療機器向け品質マネジメントシステムの国際規格であるISO13485(※4)を、日本・イギリス・アメリカ・中国・マレーシアの主要な開発設計・生産拠点で認証取得が完了し、グローバルに対応できる体制を構築しています。さらに「ロボット手術装置のような革新的な医療機器にも電源を提供し、機器の実用化へ向けて貢献していきます。すでに一部の装置で当社の電源が採用されています」と今後の展開について語りました。

医療用電源

医療用電源

AC-DC電源「CME-A」シリーズ、「PFE1000FA」シリーズ、電源ライン用EMCフィルタなどが、CTスキャナーや生体情報モニタなどの医療機器で活躍しています。詳細は、プロダクトセンターをご覧ください。

用語解説

  1. AC-DC電源:AC入力電源(AC-DCコンバータ)とも言う。AC(交流)電圧からDC(直流)電圧へ変換する装置。
  2. マルチスライスCT:検出器が多列化したヘリカルCT(らせん状に回転させ、X線を当てて撮影するCT)。
  3. 電源ライン用EMCフィルタ:電子機器のライン側に接続し、主にEMI(Electro Magnetic Interference/電磁妨害)の伝導妨害に対する対策部品。
  4. ISO13485:医療機器に対し、世界的に認知された品質マネジメントシステムの国際規格。ISO9001よりも徹底的に文書化された品質システムの構築やリスクマネジメントの実施により、医療機器の品質、信頼性、および安全性確保のための基盤となる。※TDKラムダでの登録活動範囲:能動医療機器の部品(スイッチング電源装置)の設計・開発、製造及び附帯サービス(市場返却品の解析、修理、オーバーホール)
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