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公開日: 2021年2月10日

磁気干渉に強い3D磁気センサが、自動運転車の安全な旋回を可能にする

自動運転の実現のために、自動車の基本機能である「走る」「曲がる」「止まる」の自動化が求められています。TDKは、自動運転の「曲がる」機能の大きな課題である、ステアリングの角度検出に最適なポジションセンサ「3DホールセンサHAL 39xy」を開発しました。EVや電動化による磁界の干渉に強く正確なセンシングを実現、4つの計測モードをワンチップで可能にする万能センサです。ステアリング以外にも、各種ペダル、バルブ、シフトレバーなどの自動車の様々な位置検出を担います。

「曲がる」機能を担う、自動運転車におけるステアリングの技術課題

自動運転車の実現へ向けて、世界各国の自動車メーカーでは、自動運転の高度化に向けた開発や提携、資金調達が活発化しています。さらに、実証実験やロボタクシーサービスの取り組みなども各国で始まっています。しかし、自動運転車にはまだまだ、様々な技術課題があります。特に技術発展が求められる重要な機能のひとつが、自動車の基本機能である「走る」「曲がる」「止まる」のうち「曲がる」を担う、ステアリングと言われる進行方向を変えるためのシステムです。

一般的に自動車におけるステアリングとは、ハンドル(ステアリングホイール)を切ることで、その回転量に応じてタイヤの向きを変える仕組みです(※1)。さらに、こうしたハンドルを曲る際の操作をアシストし、軽い力でタイヤを動かせるようにしているのがパワーステアリングシステムで、自動車が「曲がる」ために重要な機能です。パワーステアリングシステムは、かつては油圧式が多かったのですが、近年では燃費向上などの観点から電動パワーステアリングシステム(EPS※2)の採用が進んでいます。

電動パワーステアリングシステムの世界需要数量予測

電動パワーステアリングシステムの世界需要数量予測

出典:矢野経済研究所「電動パワーステアリング世界市場に関する調査(2017年)」2017年10月13日発表
注)メーカー出荷数量ベース EPS・EHPS合計値

全世界の自動車で、電動パワーステアリングシステム(EPS)の導入が進んでいます。

EPSはモータでアシストするため、電子制御が行いやすく、ドライバーのハンドル操作がなくとも舵角を与えることができ、将来の自動運転に対応しやすいと言われています。そのために重要な機能が、ステアリングの操舵角を計測するセンサです。この角度情報の検出は、ステアリングを自動操舵する駐車支援システムや、ESC(横滑り防止装置)による車両の姿勢制御などに用いることができ、自動運転の実現につながるためです。

4つの計測モードをワンチップで行う、高性能3Dホールセンサ・ソリューション

ステアリングの角度検出を含めた自動車における位置計測は、安全性や快適性、エネルギー効率などの観点から、磁界の変化や強さを検出して被測定物の位置や回転などを検出する、磁気センサが使用されています。その中でもTDKは、自動運転車向けにISO26262に準じた安全性を満たし、優れた機能性と柔軟性を備えた3Dホールセンサ HAL 39xy を提供しています。

3Dホールセンサとは、ホール効果と言われる電流磁気効果を応用したセンサで、X軸、Y軸、Z軸という3つの磁界を検出し、直線的な動きに加えて回転した磁界を検出できます。HAL 39xyの特長は、1.リニア(直動)位置、2.360°までの回転位置、3. 180°までの回転位置、4.3D計測という、4つの計測モードをワンチップで実現した唯一の磁気センサであることです。また、低消費電力化に加えて、SENT/PSI5やSPC(Short PWM Code)といった最新のデジタル・インターフェース(※3)にも対応しており、すでに自動運転車向けのステアリングシステムの角度検出に採用されています。

4つの計測モードをワンチップで実現

4つの計測モードをワンチップで実現

加えて、外乱磁界(※4)の補正機能を搭載していることも大きな特長です。電子化・電動化が進んでいる自動車では、さまざまな磁界が干渉しますが、HAL 39xyでは、センサそのものに外乱磁界の補正機能を搭載するという画期的な技術で、この課題をクリアしました。

さらに、高度な自動運転に対応できると考えられ、現在実用化に向けて開発が進んでいる「ステア・バイ・ワイヤ」においても、ステアリングの角度検出に小型、軽量のHAL 39xyの活用が期待されています。ステア・バイ・ワイヤとは、ドライバーが操作するステアリングホイールと舵角を与える車輪との機械的なつながりをなくし、電気信号を通じてステアリング操作できるシステムです。HAL 39xyは、ステア・バイ・ワイヤだけでなく、ブレーキ・バイ・ワイヤ、シフト・バイワイヤなど、自動車におけるさまざまな「バイ・ワイヤ・システム」で、ドライバーの操作を正確に検知するためのキーデバイスとして活用できます。

HAL 39xyの車載アプリケーション例

HAL 39xyの車載アプリケーション例
HAL 39xyは、ステアリングだけでなく、各種ペダルやバルブ、シフトレバーなど自動車全般の様々な位置検出に使用できます。

HAL 39xyは、グループ会社であるTDK-Micronasが開発した製品です。ドイツ南西部のフライブルクを本拠地とするTDK-Micronasは、30年以上にわたってホールセンサの開発、設計、製造を行ってきたパイオニア的な企業で、自動車/産業機器向けに50億個を超えるセンサを出荷しています。HAL 39xyを開発できた理由を、Product Marketing ManagerのJens Schubert氏は次のように語ります。

Jens Schubert> Jens Schubert
Product Marketing Manager, Magnetic Sensors
TDK-Micronas GmbH

「TDK-Micronasが得意とする、LSI製造プロセスの主流となっているCMOSテクノロジーを活用できたのがHAL 39xyを開発できた理由です。これは、30年以上にわたって蓄積した信号処理のノウハウと、独自の生産設備を開発できたためです」。

3DホールセンサHAL 39xy

3DホールセンサHAL 39xy

3DホールセンサHAL 39xyは、各種ペダルやバルブ、シフトレバーなどの位置検出を担う、低消費電力かつ2D/3Dの検出機能をもつポジションセンサです。詳細はプロダクトセンターをご覧ください。

用語解説

  1. ステアリングシステム:前輪に角度を与えていくことで、自動車を曲らせていくシステム。一部には後輪でも行う、4輪操舵システムを採用する自動車もある。
  2. 電動パワーステアリングシステム/EPS(Electric Power Steering):電気(モータ)によって操舵(そうだ)力をアシストする装置。
  3. デジタルインターフェース:車載ネットワーク向けのデジタル通信規格を指す。
  4. 外乱磁界:様々な機器が通常の稼働状態に対して外部から受ける干渉(力)をいう。

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