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第100回 自動車事故はもっと減らせる -最新の衝突回避システム-

FVCWSによる衝突警告機能
 事故・衝突回避の実現を目指して、さまざまな機構が研究・開発され、ISO(国際標準化機構)のテクニカルワーキンググループでも仕様の策定と標準化作業が行なわれてきました。

 すでに市販車に搭載され、実用化されているものの筆頭が、FVCWS(Forward Vehicle Collision Warning System 前方車両衝突警報システム)。車間距離測定装置を使って前走車との車間距離ならびに相対速度を測定し、衝突のおそれがある場合に警報を発する機構です。

 車間距離測定のための装置は、以前からアダプティブクルーズコントロールシステム(Adaptive Cruise Control System 車間距離適応走行制御システム)で実用化されているものが数多くありますから、そこに相対速度差による衝突予測と、ドライバーへの警告のための機能を盛り込めば、FVCWSの基本システムが構築できるわけです。
 また、衝突が避けられないと判断した場合、自動的にブレーキアシスト機構を動作させて相対速度差を少しでも小さくしたり、シートベルトのたるみを巻き取って拘束力を高めることで、搭乗者のダメージを軽減するといった応用も実現しています。


直感的に危険回避できるシステム
 残るは側方と後方の衝突回避です。側方衝突回避は、ISOではSide Obstacle Warning System(側方障害物警報システム)、低速での後退走行支援はManeuvering Aid for Low Speed Operation (低速後退走行支援)と呼ばれており、各メーカーが独自に発展系を開発しています。


 側方衝突回避については、先日、日産の開発・研究用車両に体験試乗する機会がありました。「サイドコリジョンプリベンション」と呼ばれるこのシステムは、並走するクルマがいる場合、そちら側へハンドルを切り始めた段階で、室内のドアミラー付け根部分に設けられた警告灯が点滅しながら警告音が鳴ります。
 それでもハンドルを切ったままにしておくと、今度は後輪の片側(並走車が左にいるなら右側)だけにブレーキをかけ、ごく軽い旋回力を発生させて並走車のいない方向へのクルマの動きを作り出すことで、ドライバーに危険を告知します。

 実際に運転して体験しましたが、旋回力による危険告知の状態は、まるでクルマのボディに沿って「浮き輪」のような空気のクッションが備わっていて、それが軽く何かに触れているかのような感覚。「そちら側へ進む上で、何かの問題がある」とクルマが知らせていることが、直感的に理解できるものでした。
 開発担当エンジニア氏いわく、「警告のためのなんらかの違和感は与えなければならないが、違和感が大きすぎて、ドライバーがそのことに戸惑ってしまったり、とらわれてしまうようではいけない。また、その違和感が何に起因しているのかを直感的に理解できることが重要」とのことでしたが、その狙いは十分に達成できている、との印象を受けました。

 もうひとつ重要なのは、機構の動作があくまで「支援」と「警告」に留められていることです。旋回力による警告が発生している状態でも、ハンドルを切り足せば、クルマはその方向に曲がっていきます。たとえば前方になんらかの危険を発見した場合、並走車との位置関係を測りながらハンドル操作で避けられる余地を残しているわけです。

 その根底にあるのは、「運転の主体はあくまで人間であり、クルマがドライバーの意志を超えて動くようなことがあってはならない」との思想です。最終的な目標が完全自動運転なのだとしても、それが完全無欠のものとなるまでの間、クルマはあくまで「人間という不完全な生き物の能力を拡張し、支援する道具」であることを忘れずにいてほしいものです。


著者プロフィール:松田勇治(マツダユウジ)
1964年東京都出身。青山学院大学法学部卒業。在学中よりフリーランスライター/エディターとして活動。
卒業後、雑誌編集部勤務を経て独立。
現在はMotorFan illustrated誌、日経トレンディネットなどに執筆。
著書/共著書/編集協力書
「手にとるようにWindows用語がわかる本」「手にとるようにパソコン用語がわかる本 2004年版」(かんき出版)
「記録型DVD完全マスター2003」「買う!録る!楽しむ!HDD&DVDレコーダー」「PC自作の鉄則!2005」(日経BP社)
「図解雑学・量子コンピュータ」(ナツメ社)など


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